はじめに
自然言語処理の分野が進化を続ける中、ChatGPTのようなビッグ・ランゲージ・モデル(LLM)が、質問応答、翻訳、要約などさまざまなテキストベースのタスクで驚くべき能力を示しています。ただし、これらのLLMの性能を評価するのは特有の課題があり、単一の正解基準が存在しないことがあります。本稿では、オープンソースのMLflowプラットフォームを使ってLLMモデルの評価プロセスをスムーズに行う方法、そしてDagshubとの統合により包括的なリモートトラッキングソリューションを提供する方法を探っていきます。
MLflowの概要と機能
MLflowは、機械学習プロジェクトのライフサイクル全体を管理するためのオープンソースのプラットフォームです。実験トラッキング、可視化、評価、モデルレジストリ、サービングなどの機能を提供します。LLMモデルを扱う際の複雑な現実世界の課題に対処するのに特に役立ちます。MLflowには実験トラッキング、モデル比較、パフォーマンスメトリックの評価といった機能があり、これらの強力な言語モデルの有効性を評価する上で不可欠です。
本稿で紹介するビデオでは、単一の正解基準がない場合のLLMモデルの評価方法をMLflowを使って示しています。
LLM評価プロジェクトの設定
ビデオでは、プレゼンターがPythonのノートブックを作成してLLM評価プロジェクトを設定しています。MLflow、OpenAI、Dagshubなどの必要なライブラリをインポートし、ChatGPTモデルから得られた入力質問と正解答を含むテストデータセットを生成しています。その上で、OpenAI GPT-4モデルをMLflowモデルとしてラップし、モデル情報をログ記録し、評価のためのシステムプロンプトとユーザー入力を設定しています。
MLflowによるLLMモデルの評価
プレゼンターはmlflow.evaluate()
関数を使ってLLMモデルを評価しています。モデルタイプを「質問応答」として指定し、有害性、レイテンシ、答えの類似度といった各種評価メトリクスを追加しています。評価結果、including the generated answers、はCSVファイルに保存されます。プレゼンターは評価メトリクスとその解釈について説明し、モデルのパフォーマンスが異なる学年レベルの期待可読性レベルにどのように対応しているかを示しています。
Dagshubとの統合によるリモートトラッキング
評価プロセスをさらに強化するため、プレゼンターはDagshubを紹介しています。Dagshubは機械学習の実験結果やデータの遠隔トラッキングと保存を行うプラットフォームです。プレゼンターはコードを修正して実験結果をDagshubのリモートリポジトリにログ記録するようにし、さまざまなモデル評価結果の一元的な追跡と比較が可能になります。プレゼンターはDagshubダッシュボードで評価結果にアクセスし、視覚化する方法を示しています。
今後の計画と結論
プレゼンターは、本稿で取り上げた概念をさらに発展させ、MLflowを使ったLLMモデルの扱い方に関する専門コースを作る予定であると述べています。視聴者にも提供されたコードを試してみ、ジェネレイティブAIアプリケーションでのMLflowとDagshubの機能を探るよう呼びかけています。最後に、LLMモデルの評価プロセスを効率化するツールとしてのMLflowとDagshubの重要性を強調して、ビデオを締めくくっています。
要点:
- MLflowは、実験トラッキング、可視化、評価、モデルレジストリ、サービングなど、機械学習プロジェクト全体のライフサイクルを管理するためのオープンソースプラットフォームです。
- LLMモデルの評価は、単一の正解基準がないため、従来の機械学習モデルとは異なる面があります。
- ビデオでは、プロジェクトの設定、モデルのラッピング、
mlflow.evaluate()
関数の使用など、MLflowを使ってLLMモデルを評価する方法を示しています。 - Dagshubとの統合によりリモートトラッキングソリューションが提供され、さまざまなモデル評価結果の一元的な追跡と比較が可能になります。
- プレゼンターは、MLflowを使ったLLMモデルの扱い方に関する専門コースを作る予定であり、視聴者にもこれらのツールの機能を探るよう呼びかけています。